2024年度第1回フィールド報告サロン(東大文化人類学コロキアム#5)

   日時: 2024年5月1日(水) 15:30〜17:30(延長の可能性あり)

 場所: Komcee East K114

 発表者:河村悟郎

 司会:箭内匡



【紹介】

 「フィールド報告サロン」は、フィールドワークから戻ってきてさほど時間の経っていない大学院生に、ビジュアルな素材等も使いながら、現場に近い目線から報告してもらって、ざっくばらんに話し合うことを趣旨としています。教室で行うものですが、形式張らない話し合いの雰囲気を示すために「サロン」と名付けています。文化人類学という学問の核心をなすフィールドワークという作業について理解を深める重要な機会です。

 今回は、「サッカーの人類学」という研究領域を独自の形で開拓している博士課程院生の河村悟郎さんに、セレッソ大阪を含む関西圏でのクラブでの長期フィールドワークについてお話しいただきます。河村さんの人類学的研究は、身体・情動や経営をキーワードに、練習と試合、アマチュアとプロ、選手や経営者やファン、チームの歴史と現在、といった様々な経験の層に光を当て、また一試合一試合を全力で戦いつつ、一シーズンという息の長い時間(さらにより長期的な時間)も同時に視野にいれるという多重性など、多角的に対象に迫っていくことを目指すものです。

 大学院生はもちろん、学部後期課程の皆さんも(時間が合えば)ぜひ参加してください。

※ 雑談ですが、今シーズンのセレッソ大阪は順調な滑り出しで、本日の時点ではJ1の首位です(今後は全くわかりませんが...)。  (箭内)


【発表者からのメッセージ(河村さんより)】

みなさん、こんにちは!博士課程の河村悟郎と申します。私は、現代サッカーを主題とした「サッカーの人類学」を民族誌という形で表現するために、日本の滋賀県と大阪府で約2年間フィールドワークを行いました。博士課程に進学した際はスペインでのフィールドワークを夢想していたものの、コロナ禍に突入したことで全く動くことができず、一度はサッカー研究からも遠ざかりかけましたが、修論で取り組んだ理論的問題に再度向き合うなど、その都度できることを続けることで何とか日本サッカーを対象としたフィールドワークを敢行することができました。滋賀ではMIOびわこ滋賀(現レイラック滋賀FC)というJFL(アマチュアリーグの最高峰)のクラブを、大阪ではセレッソ大阪というJ1(プロリーグの最高峰)のクラブを主に追いかけました。両者は多くの点で対照的なクラブでしたが、同じ関西圏ということで意外な「つながり」もあり、これから中心的に考えていきたい2クラブです。振り返ってみると私自身のフィールドワーク自体も、様々な「つながり」(人・モノ・こと)に出会い、それらに支えられることで滋賀から大阪へと導かれたものでした。今回のフィールド報告サロンでは、日本国内でのフィールドワークの難しさ(特に日本人・日本企業特有の「つながり」づらさ?)も共有しつつ、これらの「つながり」をさながらサッカーの試合のハイライトのような形で提示することで、どのような博論へと向かっていくのかをみなさんと一緒に考えたいと思います。よろしくお願いします。